日本の夏じたく展(3)
「立春大吉」 書家の小熊さんからいただいた葉書、
文字を眺めながら、 ふと まだ見たこともない、
ゆったりと流れる 春の長江を想った。
年始に、慌ただしくバタバタと出した私の賀状を思い、
しばし 顔の赤らむ思い。
時の流れは 誰にも等しいものなのに、
小熊さんは あたかも長針のように暮らし、
私は日々、 秒針のごとく生きている。
同じ時でも、見えるものはずい分と違うのだろう。
せめて、夏じたく展 の間 私も小熊さんに倣って、
長針の方で過ごしてみたい。